いつものユンボ

僕は考える

龍の歯医者 殺戮虫編 感想 ネタバレあり

前編後編通して90分ほどになる今回の龍の歯医者

前回の感想は龍の歯医者 ネタバレと感想 。

 

非常に感想に困った。

第一の感想としては、これは前日譚だということだ。

本編が無いのにスピンオフした作品。

どうしてそんなことしたんだろう、

と素直な疑問はあるが、一先ずこのまま書いていく。

 

まずこの90分を前日譚として見た場合に、描かれる本編について予想してみよう。

 

本筋の問いは龍の存在意義と生と愛情への執着といったところだろうか。

「人間は執着のために苦しむ」という仏教的なこの問いを前に進めるためには、

同じ状況でありながら相反する主人公と敵が必要である。

 

柴名は竹下という恋人が龍が見せたキタルキワの中で死亡した。

柴名はキタルキワに逆らなかった竹下が許せず、

それ以上に彼を蘇らせない龍が憎い。

この時点で龍に対して疑問を抱いているのは柴名だけだが、

今回の90分でノノコはベルを失い、柴名と同じ立場になった。

しかし一つ違うのは、「死んだ者は蘇らない」という言葉に対し、

ベルは一度蘇って歯医者になったという事実がある。

このために、柴名よりもノノコの方が一層ベルに執着するだろうと思われる。

柴名と同じように、内通者として龍の歯医者を続けるのではないだろうか。

 

だが、根本として龍の歯医者は兵器の維持に加担しているものであり、

後ろめたいものである。

ノノコが歯医者になった動機は他の仕事より美味いモノが食べられるからだが、

今回の殺戮虫の終りでノノコは既に居ないベルに対して

「早く仕事済ませて一緒ごはんにしようよ」と言って出番を最後にする。

美味いモノを食べるという動機が「ベルと一緒に」に変化したのだろう。

歯医者でいる動機が失われたら、龍に対する疑問が浮かび上がるのは

自然な流れだろうと思う。

 

そして龍の存在意義への疑問を問う旅が始まり、

ノノコは柴名と同じく龍を破壊する目的を持つだろうと考えられる。

ところが、柴名は竹下を復活させてから龍を破壊しようと思っている。

この執着のため、柴名は今回の殺戮虫編において龍を破壊しきれずに終わった。

歯の中から戻ってきたとき龍は大きなダメージを受けていてチャンスだったろうに、

彼女は「私は諦めない」と言って飛び立ってしまう。

龍の歯の中にいる竹下に執着し続ける限り、柴名が龍を討つことはないし、

恐らくは最後までないだろう。執着する限り、龍の思い通りなのだ。

 

柴名とノノコはこれからの戦いで、死を経験して歯の中に戻り、

この殺戮虫編と同じ苦、歯の中でそれぞれ竹下とベルと再会するだろうと思う。

柴名はそこで竹下と居ることを選んで龍に食われ、

ノノコはベルと別れることで龍を討つのかも知れない。

 

きっとこんな感じな本編だろう、と予想した。

 

そう考えれば、この90分で大して活躍しないが、確かに主人公はノノコだと言える。

だが始まってもいない物語の中では、まだ彼女は主人公ではない。

前回の記事でも触れた通り、主人公をどちらかに絞るべきだったと述べたが、

主人公をノノコにしておいて、ベルを頼れる人物にしたほうが分かり良いのではなかったかと思った。

ノノコがベルに何度も助けられるというほうが、

これからノノコが経験していく孤独がより明確になる。

 

全体の構造から外れて、小さな部分を見ていくと、

色々な部分で演出が甘いと思う。

それはノノコが主人公だからという理由で無理矢理ノノコを立たせようとするから、

不自然になっているのだ。ベルをもっと出来る男にした方が良かったと思う。

 

馬に乗れるか、という場面でベルが乗れると答えた下りの後、

モブキャラがノノコを後ろに乗せて馬に乗り、柵を跳び越えるあおりの画があるが、

あれモブじゃなくてベルには出来なかったんだろうか。

 

逆に良かったところは、柴名が歯の中を泳いでいくところと、

ブランコが銃弾が交差する中を平気でいるところだ。

ブランコが平気でいられるのは、

彼が自分のキタルキワを見た人物だからだろうと考えられる。

別の龍の存在があるかどうかは分からないが、

そんなブランコが虫歯に殺されてしまうことが、彼にとって予想外だったとすると、

キタルキワは完全な運命ではないというのを再び別の角度から描いているのだろう。

(一度目は柴名が虫歯になったこと)

そういう部分は良かった。

 

しかし全体としてはセリフがあんまり説明すぎる。

後編の殺戮虫から急にCG感が強くなった。

音楽の使い方も前編に比べて悪くなった。

(冒頭、龍が竜巻を食ったという場面に合わせて音楽が乗っているが、

やったことが「竜巻を食べた」に対して、音楽が壮大過ぎるなど。

場面に対して音楽が先行するのは良くないと思う)

ブランコの演技が微妙。

龍の壁など、設定を出すタイミングがその場しのぎ的に出すから追いにくい。

柴名が飛行形態から歩行形態に移るところ(空中でノノコを掴まえて飛行機に戻るところ)がダサい。

ベルが最後に死ぬところがピークなのにベルの出番が少ない(印象が弱い)

腫れた虫歯のせいで落ちて行く龍の姿がちょっと滑稽。

親知らず付近の警備がガバガバ。

ベルが殺意に反応して人を殺す殺戮虫を使ってブランコを殺そうとするなら、

先に殺意を察知されるのはベルのほうじゃないか。

「姉さん、綺麗」という柴名の飛行シーンが言うほど綺麗じゃない。

等々の不満がある。

 

けれどもノノコがベルを探して歩くシーンや、

ブランコの落とした拳銃が転がり、ベルの傍に落ちて、

それが最後の遺品掃除で出てきたことで

ベルが歯の中に戻ったことを示したシーンなどは良かったなあと思います。

 

でもやっぱり前日譚からやるのはどうなんでしょうかね!

ローグワンはスターウォーズⅣあってこそじゃないですかね!

龍の歯医者ローグワン! 五億点!

 

 

追記 2017/02/27

竹下じゃなくて竹本でした。電話してちょうだ~い。

あとこのEndから続くなら、頬に傷のある、

いつかノノコを殺す少年が次の恋愛相手になるかも。

彼がガンバってノノコは生還、ベルは龍と一緒にサヨナラって感じかもねえ。

そんな感じですわ!

けものフレンズ 絶対にそうはならない想像と考察

観てます。フレンズ。

 

記憶喪失の人間らしき「かばんちゃん」が、

自らの種族を探すため、サーバルのフレンズ(人間と動物の合成?)と

ジャパリパークをどったんばったん大騒ぎする話。

 

登場人物は、人間らしきかばんちゃん、

女の子と動物が組み合わさったフレンズという生き物、

ジャパリパークのインストラクター役であるロボット、

そしてセルリアンという敵の四つだ。

 

ジャパリパークはサバンナや沙漠、ジャングルなど、

様々な動物たちの生息域が近隣に存在する人工施設だ。

この施設、長らく放置されているという描写が所々にある。

 

だが果たしてそうだろうか。

 

私はこのジャパリパーク、運行前のテストランをしているように見えた。

 

第二話でジャングルルートを通る際、

リボルバーオセロットタスマニアデビルなどと出会った後で、

ロボットがジャングル地方の説明をしながらの橋を歩いている時、

ロボットは橋の隙間をジャンプして回避した。

ところがその直後、

案内役のロボット、そしてサーバルがツタに絡まって動けなくなる。

これをかばんちゃんが助けて「かばんちゃん器用だね」と褒められる。

なぜ橋を回避出来てツタは避けられないのか。

 

ここでアトラクションの本質はなんだろうと考えてみると、

「本当にやると難しいこと」を「難易度を下げて楽しむ」ではないかと思う。

釣り堀でやる魚釣りみたいなものだ。

プロの歌手にはなれないが、カラオケは楽しめる。

プロのピッチャーにはなれないが、ストラックアウトは楽しめる。そんな感じ。

 

ジャパリパークのアトラクションは、

人間が持っている能力を簡単に発揮させることだと思う。

人間の回復力の速さ、手先の器用さ、創作力、思考力、料理、

そういったものを「簡単に楽しむ」ことが出来る一大テーマパーク。

それがジャパリパークではないだろうか。

 

だからこそロボット、そしてサーバルは「予定通り」ツタに絡まった。

サーバルも役者なのだ。アトラクション全体の説明をしながら、

逐一プレイヤーのことを褒めてくれる真のインストラクターである。

 

アトラクションの目的が人間の動物としての能力を簡単に楽しむことであるとすれば、

かばんちゃんが遭遇する旅の困難、ジャパリパークが時間経過によって風化したことで

生まれたと思わせている諸問題は、

それ自体が一つのアトラクションなのではないかと推察出来る。

 

そう考えれば、特に大きな困難もなくかばんちゃんが無双していく様が理解出来るし、

忘れ去られた土地ではないとするなら、

ロボットが動き続けていてバスだけが電池切れという疑問にも納得出来る。

 

ここは「文明崩壊後風テーマパーク」なのだ。

 

とすれば、かばんちゃんはそのテストラン用に生み出された人間フレンズだろう。

これから呼び込む客に対して、

用意したフレンズたちが想定通りに稼働するかを調べているのである。

 

セルリアンたちもアトラクションの一部、

ツチノコの真理探究もアトラクションの一部。

 

かばんちゃんが「すごーい」と言われたことは、

手を加えて元に戻せば、また別のお客にも体験させることが出来る。

 

そして最後に自身がテスターであったと知ったかばんちゃんは、

人間フレンズとして第三のインストラクターになり、

お客がどうしていいか分からなくなった時のヒント役として働くことになるのだ。

なぜなら彼女はこのアトラクション、第一の踏破者なのだから。

 

なんてね! たーのしー!

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